自己紹介

ローカルバスや汽車で移動し、現地の人が好む屋台飯を食べ、安いホテルに泊まる、お金をかけない旅行を楽しんでいます。 メジャーな観光地よりも、自然と人の暮らしが調和した山村や漁村の風景が好きです。 イソヒヨは磯で見かける鳥ですが、ブログのタイトルにした理由は特にありません。

2012年10月6日土曜日

2012年5月28日 晴れ (May 28, 2012   Fine )

インドに入国した頃、インドについての情報を何も持っておらず、何処に行きたいといったアイディアも無く、行き先を決めかねていた。

その時、友人が次のようなメールをくれた。
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「数学者の藤原正彦(新田次郎の息子、「国家の品格」の著者)が、20世紀初頭の天才的数学者、シュリニバーサ・ラマヌジャンのことを紀行文風に書いている(多分「心は孤独な数学者」という文庫だったと思う)が、南インドのクンパコナム出身らしい。藤原は{数学者は美しいものに憧れる/数学は美しい/天才的な数学者が生まれ育った環境は自然と調和していて美しいはずだ}という哲学をもっていて、南インドを訪れたらしい。インドに到着した当初は余りの雑然さにがっかりしたそうだが、クンバコナムの生まれた村に行くと、ヒンズー教寺院を含めたいへん美しい環境で、感激したと書いている。
旅程と治安のことは判らんが、可能であれば行ったらどうですか。」

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藤原正彦氏の寄稿(http://rainy.seesaa.net/article/421077.html)は、

天才を輩出する地域に共通する土壌として、次の三つの条件を挙げ、

 
1)自分を超えた大いなるものに対しての「ひざまずく心」
2)
「精神性を尊ぶ」である。
3)
「美の存在とそれを尊ぶ伝統」である。
そして、
ラマヌジャンが生まれたこの地方について、インドはお世辞にも美しいと言えない所だが、この地方は例外である。ここは10世紀後半から3世紀間、チョーラ王朝が栄えた地帯で、美しい寺院が数え切れないほどある。」と書いている

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美に対する感覚は個人差があり、何を言っても間違いという事はないと思うが、私の目に映った
クンバコナムは氏のような感慨(美しい町だ。この美しさが天才を生む土壌だ。)を得るような町ではなく、普通の町でした。

物書きは、人目を引く表現でなければ稼げないようで、
概して物事をオーバーに書く。

また、
藤原正彦氏は、ある種の着想(観念)について、その着想が正しいと思われるような事だけを書き並べて、その着想に否定的な事象には目を閉じて、強引に話を誘導するところがあるように思われる。

氏の「天才を生む土壌」3条件に該当する町なのに、天才を生んでいない町が万とあるはずだし、汚い町で生まれた天才も大勢いるはずだと思う。

その人の素質、教育環境、課題選択、ひらめき、周囲の環境、等、複雑な要素の組み合わせで、めったに無い大発見がたまにあり、
何億人に一人という天才がたまに出現するのだと思う。
天才を生む土壌と一言で言えるようなものではないし、或いは何とでも言えるものなのだ。


6:48 早朝、クンバコナムの街を散策
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6:49
他の町より少しはましであるが、道路にゴミが投げ捨てられている。
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6:53
Nageswaran Templeの塔門
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6:54 寺院の境内
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6:54 境内
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7:01 この町にはヒンズー教の寺院が多く、見える2つの塔門は別の寺院。
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7:02 組み立て中の山車(Temple Car)
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7:03
Temple Carには色々な形があるが、Temple Carの基部。
右下の木で上部の骨組みを作るらしい。、
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7:06 掃除をする女性。

インドでは、それぞれの仕事に就ける家系・階層が決まっており、街路を掃除する人は、その家系の人である。
ゴミを出す人に比べて、掃除する人が少ない大都市は、どこも汚い。

また、インドには ”SCRAP and BUILD" という発想がなく、古い物やゴミを処分しないでそのままにしておき、別の所に新しい物を作る。
従って、混然としており、すっきりしない。

デリー/ニューデリのような、オールドタウン/ニュータウンは、何処の町にもある。
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7:14 溝
クンバコナムはインドの普通の田舎町だと思うのですが、「ラマヌジャンへの思い入れ」、「天才は綺麗な町で生まれるはず。」といった思い込みが、藤原氏にこの町が美しいと言わせしめたのではないだろうか。
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7:18 干上がった川(今は、乾季)
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7:25
ヤギが橋の上で寝ていたが、GOAT肉を食べる人もいるのだ。
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7:27 クンバコナムの裏通り
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ここにもう一泊する予定であったが、クンバコナムに長居をする事もないと判断したので、次の町に移動する事にした。


8:49 バスの窓から見えた風景
クンバコナムの郊外が美しいかと期待したが、他の町の郊外とそう変わらない。
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